「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策 PART3

「ゲーム依存」~やめさせるための2つの側面とは?~

前回のPART2では、ゲーム依存の「物理的な対策方法」に関して考えました。

※PART2をご覧でない方は下記の記事を先にご確認ください。

「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策  PART2

今回の最終回PART3では、「環境面での対策と考え方」、「eスポーツを利用してゲーム依存を解消した事例」をお伝えしますね。

ゲーム依存の2つの対策分野:

2.「環境面での対策と与える影響を考える」

「環境」とはなんでしょうか?

この場合は、「家庭での環境」です。これが子どもの心に与える影響を熟考する、という事です。

この観点は、目に見えにくいため、軽視されがちですが、「物理的な対策方法」を効果的にするために「極めて」重要な側面です。実際、この側面が整えば、子どもとの関係を悪くせずに指導でき、また子どもは納得して、「自走(自己管理」していく事ができるようになっていきます。

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①「切り替えやすい」環境を作る:

体験してみれば分かりますが、オンラインゲームに集中していると、ある面、「別世界」にいるような感覚になります。

これは、例えると、映画館で長時間、暗い中で迫力ある映像と音声に吸い込まれていくのと同じといえます。

大人の私たちでさえ、映画が終わったばかりの時は、その世界に引き込まれており、映画館を出ても、しばらくは、映画の世界にいるような感覚になるのではないでしょうか?

このような時に、どうすれば現実の世界に早めに「引き戻される」でしょうか?

それは、現実世界の人と会話したり、食事や息抜きをする、もしくは運動したりすることも役立ちます。

また、もし、映画を観ていない人から「現実の世界へおかえりなさい!」と言われたとしたら(実際には言われませんが…)、どう感じますか?我に返りやすくなりますよね。

同様のことがこの「ゲーム界」から子どもを引き戻すときにも言えます。

子どもも「引き込まれている」ゲームを時間で終了させるのはとても難しく感じます。いきなり、モードを切り替えることは難しいでしょう。

それで、ゲームの終わりを告げるような声かけや環境を作り、気持ちの切り替えを助けるようにします。

例えば、「(ゲーム名)の世界から帰ってきたね。おかえり!」というような声掛けを笑いを交えながら、実施しているお母さんもいます。

最初は、効果なしでしたが、表現を変えて繰り返すうちに、子どもが切り替えに慣れてきたとのことです。水を飲ませる、シャワーを浴びさせる、軽い運動、手伝いをさせる、なども含めて行っているようです。

勿論、あくまでも、「ゲーム界」が本拠地で、「家庭/学校生活」が「仮の世界」と感じないように、表現や接し方に注意していく必要があります。

 

②ゲーム以外の事への関心を刺激する:

私たちをサポートして下さっている医師の話によると、「ギャンブル、ネット依存は、薬物依存やアルコール依存とは違い、別の関心のあるものを複数見つけさせて、没頭させることで緩和できる場合が多い」とのことでした。

実際、これまで、私たちに相談頂いた生徒の中にも、この形でネット依存を大幅に軽減する事ができた子どもも複数いました。

しかし、本人は、「ゲームやネット以外に好きなものはない!」と言い切るかもしれませんが、そこで引き下がってはいけません。本人は、関心がある、適性があるものに気付いていない、もしくは「学んでいない」だけの場合が多いです。

実際、誰でも同じかと思いますが、知識や体験が少ない状態で、関心のあるものや適性を判断することは難しいのではないでしょうか?

年齢を重ねるごとに、知識や体験を増やしていき、関心のあるものが増えていきます。場合によっては、好みそのものが変わることもあるわけです。

そうしていくうちに、自分の特性や適性がある程度、把握できるようになりますよね。

このように考えますと、まずは親が我が子の小さいころからの特性や適性(遺伝も考慮)をよく考え、それに応じたゲーム以外の関心事を提案していく事が相応しいことが分かります。

それに関心を示さないようであれば、新たな、全く異なる分野を複数提案します。

ある中学生男子は、お父さんが学生時代に少しプレイしていたギターと作曲を自然な形で紹介したところ、少し関心を示し、次第にそちらに移っていき、ゲームは時間を決めて管理する事ができるようになりました。

また、別の子は、同じデジタル機器の中でも、まずは、ゲームから、動画を作成することに関心を移せました。直接的な解決ではないですが、最初の段階としては、上出来です。

「オンライン対戦ゲーム」という、内容も仲間も健全ではなかった依存対象から、クリエイティブに自然や動物を撮影した動画を綺麗に編集して、YouTubeにアップする、という健全な方向性に移行できたことは、「間接的」に関心のあることを見つけさせるためには有効でした。

 

③家族内での「責任」を意識させる:

よく指摘されることですが、「家庭での結びつきが強い」子どもは、ネットやスマホを依存する事なく、適切に使いこなしている確率が高いと言われます。

家族、親子での結びつきが強いと、家庭内での「忙しさ」が違ってきます。

それには、基本的なことですが、手伝いやその他の家族内での責任をしっかりと割り振ることや、団欒を共にする方向性が不可欠です。

夕食の手伝い、買い物、掃除、兄弟の世話、家族での外出や何気ない会話などがあります。この中でも、「親に世話されている」子どもと、「共同生活するための一員であること」を意識している子どもとでは、成長に大きな差が出てきます。

スマホに関しても、前者の子どもは、「みんな持っているんだから、親が買ってくれて当たり前。買ってもらったら、自分がどう使おうと勝手」という見方をする子もいます。

逆に後者では、「共同生活している親から貸してもらっている」という見方が養われるようになります。貸与者の指示に従おうとするだけでなく、家族の一員として、自分にできることに目を向けれれるようになっていきます。

結果的に、ゲーム依存にならずに、ゲームやSNSを楽しめるようになるのです。

今まで、このような「責任」を意識させてこなかった家庭で急に締め付け始めると、反発が大きくなりますので、そのような家庭では、あきらめることなく、少しずつ、開始していく事をお勧めします。(詳しい方法もサポートできますので、必要に応じてご相談メニューをご利用ください)

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④運動や社会活動の面白さを教える:

10代の時期は体力、運動神経など身体能力を高める事、また、そこでの鍛錬に耐えることを学ぶ非常に大切な時期です。

この時期に、ゲーム依存になってしまう事は、計り知れないダメージを与えてしまいます。

それで、きつい運動ではなく、かっこいいダンスやスケートボード、サイクリングなど、気軽に取り組める運動を何らかの方法で体験させる事ができます。特にオリンピックなど、テレビでは何らかの競技が定期的に話題に上ります。

私の知人で、中高生の子供3人がいる、ある家庭では、話題に上がるスポーツ(可能な範囲でですが)をその都度、家族で体験、学ぶようにしています。

先日も、ボルダリングに家族で挑戦してきた、と言っていました。子どもたちも親も決して運動が得意ではありませんが、うまくできなくても、「体験する」ことを重視されており、それを家族で行うことで時間の上手な使い方、家族の結びつき、一員としての責任を自然に教えられている、とのことでした。素晴らしい方法ですね。

また、何らかのボランティアなどの社会活動にも目を向けさせると、意外と、それにハマる子供たちもいます。

地域のシニア世代対象、掃除活動など探せば様々なボランティア活動があります。

そこでは、感謝される事や、社会に役立っている、という体験ができます。

最初は嫌々ながら体験したある子どもは、「ゲームの世界以外で、リアルな人に初めて認められた」と嬉しそうに語っていました。

この子は、その後も定期的にボランティア活動を続け、今ではゲームを適切な位置で楽しんでいます。

このように、「環境面での対策と考え方」に関する4つの分野を考えてきました。

確かに、このような家族の一員、社会の一員としての基本的なことを教え、体験させることは、ゲーム依存からの脱却だけでなく、子どもの人間的成長をも向上させますね。

物理的側面と合わせて、まずは親が自分の家庭ではどのように適用できるかを思案して頂ければ嬉しいです。

eスポーツを利用してゲーム依存を解消した事例

しかし、上記の提案では対応できないほどの、深刻なゲーム依存の子どもも存在しています。そのような子どもは対応策がないのでしょうか?

そうではありません。実際、重度のゲーム依存の子どもたちを更生させてきた方法があります。

それが、「eスポーツ」を利用する更生方法です。

PART1でも述べましたが、e-スポーツは、オンラインゲームに一層、依存してしまうのでは?と心配している保護者や先生も多いのが現状です。それも当然の反応かと思います。

しかし、それを、目的意識をもって管理して取り入れる事で、良い成果を挙げている学校があります。私たちとも協働しているある学校では、部活動的な位置づけで、eスポーツを取り入れています。

対象は、重度のゲーム依存の引きこもり傾向のある生徒たちでした。

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この学校では、引きこもりや不登校の生徒も受け入れていますが、近年、このような引きこもり、不登校の要因のほぼすべてが、ネット/スマホ依存やトラブル、との事で、その対応に注力されています。

熱心な校長先生も自ら、引きこもり生徒宅に何度も訪問し、多くの生徒をネット/スマホ依存から脱却させてきました。

現在、私たちと共に、地元テレビ局の取材を受けていますが、今回、この引きこもり生徒を、まずは自宅から共に連れ出して、「学校でみんなと」ゲームさせる状況を実現させました。

最初は、固く拒否していた生徒も、何とか説得に応じて参加し始め、現在では、最高20名くらいでの「eスポーツ大会」が開催されています。

生徒たちは、どのように変化していくのでしょうか?

彼らは自宅で、顔の見えない相手とオンラインで対戦していると、異様な疲れと共に、「見えない相手を殺してやりたい」と感じることもあったそうです。

しかし、学校では、対戦相手が目の前におり、その環境で交互に対戦しあうことで、感情に変化が生じてきたようです。「見える相手を前にした良い意味での興奮や達成感を味わえた」そうです。

校長先生によると、多くの生徒たちは、引きこもっていた間は、相手や周りの人の表情を読んだり、想像することもできずに、まさに「コミュ障」と言われる状況だったようですが、学校で、見える相手と対戦する事で、人の感情を少しずつ感じられるようになってきたとのことです。

その他にも、当然ながら、全員で時間を守って、集中してゲームをする事、絶対に喧嘩はさせないこと、そして、テスト期間中は、スマホは没収する事、その代わりに、テスト期間終了後は、頻繁に「eスポーツ大会」を計画するようにして、メリハリをつけて、適切にゲームを楽しむ事を教え込んでいます。

このような取り組みで、複数の生徒が少しずつ、適切な自己管理ができるようになり、極度のゲーム依存から脱却し、なんと、技術系の専門学校や工学部への進学を決めた子どももいるそうです。

本当に、素晴らしい実績と対応ですね。

家庭で真似することは難しいかもしれませんが、やはり、強制的に遮断するのではなく、代替えを見つけることのほかに、このようなブームを逆手に取った対応方法で成果を挙げる事も可能である、という事が証明されています。

今後、このようなeスポーツをゲーム依存対策として、取り入れていくスクールも増えていくかと思います。

最後の避難所」として、このような施設も考慮に入れながら、私たち保護者各自としては、可能な対応を実施していきたいですね。

「eスポーツ」と「ゲーム依存」の考え方として、三部作で共に考慮してきましたが、いかがだったでしょうか?

今まで、あまり考えてこなかった事も含めて、何らかの「気づき」になれば幸いです。

個別でのカウンセリングを希望される方は、「個別相談メニュー」をご検討ください。

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「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策 PART2

「ゲーム依存」~やめさせるための2つの側面とは?~

前回のPART1では、今話題のeスポーツの紹介とゲーム依存の現状に関して考えました。

※PART1をご覧でない方は下記の記事を先にご確認ください。

「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策 PART1

このPART2では、私たちが効果を挙げてきた方法と共に、ゲーム依存への「物理的な対策方法」を考えましょう。

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前回もお伝えした通り、ネット/スマホ依存の大部分は「ゲーム依存」か「SNS依存」に分かれます。

注意しても、なかなかゲームをやめない子どもに対して、親が一番取りたくなる行動は何でしょうか?

それは、ゲームを取り上げたり、壊したり、回線を使用させなくする強制的な方法です。

先日、私が温泉施設に行った時の話です。

小学生の子どもがゲーム機に集中しながら歩いていました。横にいたお母さんが、「いつまでやってるの!」と2回ほど注意していましたが、全く聞き耳を持たなかったところ、遂にそのお母さんは、「いいかげんにしなさい!」とゲーム機を取り上げ、床に叩きつけました。

私を含めて周囲は唖然としましたが、子どもも反抗して騒ぎながら、壊れた部品を拾っていました。そのくらい、親としては我慢ならない状況だったかと思います。その気持ちはわかります。

ただ、この「強制的」な対応は、すでに依存している子どもにとっては、「最悪」の対応方法と言わざるを得ません。

もちろん、この方法で止める子どもはゼロではないかもしれませんが、ほとんどの場合、良い結果へはつながりません。

なぜなら、特に中高生になり、自立心が成長する過程にある子どもたちは、この「強制される」という概念を一番嫌うからです。当然ながら、反発する、隠れてやる、のどちらかの行動をとるでしょう。

では、どうしたらよいでしょうか?

絶対的な解決策はありませんが、これまでの私たちや関係する仲間たちの実績から、2つの側面に分けて、ゲーム依存に対応しておくことが有効です。

ゲーム依存の2つの対策分野:

1.「物理的なルールとメタルールを話し合って作っておく」

ルール作りに関して誤解している親が多いようです。

「決めても守れないから作っても意味がない」という言い訳をよく聞きます。

言いたいことは分かりますが、すでに、このような親子関係、そして家庭環境にあることを放置しておくと、依存問題以外の様々な問題をも生み出してしまう可能性が高まります。

子どもは自立心が芽生えていますが、人生経験はとても少ない訳です。

それで、「知恵」を身に着けさせることによって、賢く人生を送っていく事ができます。

ですから、依存したり、大きなトラブルに遭遇して学ぶ、というような「経験が最良の策」ではないこともあるのです。

このように考えると、やはり、「子どもも納得のいくルール作り」で知恵を教えていく事は不可欠です。

そもそも、法治国家で生活している以上、これからの子どもの人生で、ルールに縛られない環境などは存在しない訳です。

それで、「なぜ、ルールを守ると自分のメリットになるか?」を成長と理解力に応じて教えていく事が子どもの今後の人生にも大きく役立ちます。

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①具体的なルールとは?:

ルール作りのポイントは下記の2点です。

・「具体的な内容のルール」とし、「なぜ益になるか?」を説明する。

・ルールが守れなかった場合の「メタルール」を子どもに作らせる(ルールの2重化

では、「具体的」とはどんなことでしょうか?

×→「ゲームはあまりやってはだめよ。夜遅くまでもダメ」

〇→「平日は1時間まで、休日は2時間まで、夜は10時までならOK」

このような数値で伝えることが「具体的」です。そして、なぜ、10時までなのかなどの理由を説明します。

「なぜ、10時までがあなたの益になると思う?11時や12時ではだめ?」

成功している親は、子どもにこのような「逆質問」をして考えさせています。

この親子の場合は、就寝を11時半と決めています。それは、起床時間から考えた場合の、脳に必要な休息時間や翌日の授業中の眠気を実際に比較させて決めたとのことでした。

そして、その1時間前までにスマホを終わらせることは、ブルーライトが目を通して、脳に与える影響なども説明し、就寝時間直前までのスマホが「習慣化した場合のデメリットを想像」させました。

このような運びで、「11時や12時ではだめ?」と聞くと、「ダメに決まってるじゃん!」と子どもから言うようになってきたとのことでした。

上記のように、私たちの提案を受け入れて、着実に実施してきたお母さんは、シングルマザーの方でした。

大変な中でも、働きながら、子どもをゲーム依存から脱出させて、今は、子どもは、成績も性格も良好に学校生活を楽しんでいるとの事です。

もちろん、大好きなゲームも「適度に」楽しめるように自制ができているとのことでした。親としての、素晴らしい努力です。

しかし、この親子もそうでしたが、ルールが曖昧だった家庭においては、急にルールを作ると、子どもからの大きな反発や混乱、懇願、時には暴力などもあるかもしれません。

それでも、上記のようにまずは上手に「メリット」を説明しましょう。

それでも、抵抗する場合でも、メタルールに関しては、絶対に譲ってはいけません。ぶれることなく懲罰を与え、逆に守れた場合には、努力を誉める、という姿勢を崩さないようにします。

②宿題や手伝いなどを先に済まさせることを徹底させる:

ゲームは必ずしも、子どもに不可欠なものではありません。親は、ルールを守れないのであれば、親から貸与しているゲーム機やスマホを禁止する必要があることを忘れるべきではありません。

それに対して、宿題(勉強)はどうでしょうか?

これは、子どもにとって「不可欠なもの」です。この認識を親も子どもも、再度、認識する必要があるのではないでしょうか?

そう考えると、ゲームやネットは、その日の子どもの「お勤め」(宿題や手伝い)を完了させたことに対する「給与」(褒美)のような認識を培わせておくなら、後々の人生でも「良い仕事ができる大人」に成長しやすいですね。

この順番を忘れないように子どもを教えましょう。

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③具体的なゲーム内容を知って、親子で話し合う:

時間になったらゲームを中断しやすい環境を作ることも重要です。ほとんどのゲームは、そもそも途中でやめにくいように作られています。

それで、まずは親が、子どもが気に入っているゲームの内容と面白い点を、「ルールを作る前に」子どもに説明させます。

その時に、親は、「くだらない」と言ったり、そう感じているような表情をしない事が重要です。

むしろ、「これは面白いね。たしかにお母さんでも制限しないとハマってしまうわ‥」くらいの方が、子どもと共通の土台を築くことができます。

この過程を踏んでから、次のような提案をします。

・あまり興奮するゲームや攻略に時間がかかりすぎるゲームは、平日にしない。

・時間が無い時に、レベルクリアをしようとしないで、週末の楽しみとして集中してクリアできるように「とっておく」。

・ほとんどのゲームは、1回のゲームタイムでクリアするようには作られていない事、何回にも分けてクリアすることが、「上達する秘訣」、賢いゲーム方法である事を気づかせる。

いかがでしょうか?

このような具体的かつ、「ゲームの実態と子どもから見た魅力を理解」してくれている、と、子どもが感じると、子どもはルールにも、とても応じやすくなります。ルールを守れるようになっていったら、小出しにご褒美をあげます。

もちろん、ゲーム時間を増やす、というご褒美はあり得ません。

④既にゲーム依存の場合は、上記と共に、ゲーム時間を少しずつ減らさせる:

先月訪問した高校の男子生徒は、「休みの日には15時間ゲームしてる」と言っていました。半日以上の使用時間に唖然としますが、そのような状況であってもあきらめなくて大丈夫です。

実際にそのような、重度のゲーム依存から脱却した子どもも存在しているからです。

このような場合、まずできることは、「少しずつ」時間を減らすメリットを説明していく事です。

15時間なら、12、10、8、6時間くらいまで、ゆっくりと減らしていきます。急に禁止したりすると「禁断症状」がでるので、あくまでも少しずつです。

同時に「ゲームをしたい気持ちは尊重しながらも、譲れない点を明確に共有しておく」事が重要です。

「こんなにハマるゲームをたくさん楽しませてあげたいわ。でも、そうしているから成績が明らかに下がっているよね。 学生である以上、勉強に遊びが影響することは許されないのは分かるよね? だから、少しずつ、慣れさせながら、ゲーム時間を減らして、短時間でレベルクリアできるようにしていこうよ。まずは、少しずつだから、15時間を12時間に減らすだけでいいよ

こんな感じです。実際、この子の場合も、このような形で私たちとお母さんが接するようして、今、少しず減らす事が出来始めているとのことです。

このように、今回は、ゲーム依存に関して「物理的にできる対策」を考えてきました。

上記の対策は、私たちが対応して効果があった実績をもとに記載しましたので、ぜひ、我が子の状況をまずはよく考えて、内容を適用しながら実践してみてくださいね。

次回は、PART3の、ゲーム依存対策の「環境面での対策と考え方」、そして、「eスポーツを利用してゲーム依存を解消した事例」をお伝えします。

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「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策 PART1

今、子どもが注目する「e-スポーツ」とは?

皆さんは「eスポーツ」をご存じでしょうか?

最近、子どもたちの間でも「eスポーツ」は話題となっており、先日、講座で出会った中学生も、すぐにその話題を嬉しそうに出していました。

ゲーム依存の子供たちにとっては、ある意味での「希望」ともなっているようです。

eスポーツは、複数のプレイヤーで対戦されるコンピューターゲームで、格闘技やサッカーなどのスポーツを競う大会です。

サッカーゲームでは、実在するプロ選手の能力や成績データも反映され、フォーメーション、綿密な戦略などがカギを握る非常に高度なゲームです。

アジアのオリンピックとして知られる「アジア競技大会(第18回)」でも、eスポーツがデモンストレーション競技として採用され、日本代表が金メダルを獲得しました。

将来的に、オリンピックでの正式採用も目指しています。

「なぜ、ゲームがスポーツなのか?」という疑問もあるかと思いますが、元々、「スポーツ」という単語には、「娯楽、楽しみ」という意味合いもある点が取り上げられています。

日本ではこの分野での遅れが指摘されてきました。近年、競技としての確立を目指し、様々な取り組みが実施されており、選手である「プロゲーマー」と呼ばれる人たちを、系統的に育てる教育が実施され始めています。

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今、この「eスポーツのプロゲーマー」を職業として目指そうとする子どもたちが急増しています。何年か前に、「ユーチューバー」を目指そうとする若者が急増した現象に似ているかもしれませんね。

この先、オリンピック競技に正式決定すれば、多くの注目が集まり、プロゲーマーを目指す子どもたちはさらに増えることが予想されます。

ゲーム依存との関連性:

しかし、この現象は、「ゲーム依存」を切実に心配する保護者にとっては、喜べないかもしれません。

ゲーム依存は文字通り、ゲームがやめられなくなってしまう依存状態です。

6月18日に、世界保健機関(WHO)が公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記され、来年のWHO総会で正式決定される予定です。それにより、「ゲーム依存」は、「ゲーム障害」として国際的に「疾患」として認められます。

この動きからも分かる通り、世界中で問題となっているネット依存の多数割合を占めるのが、この「ゲーム依存」なのです。

主に小学生から高校生までの男子に多いと言われてきましたが、最近では、女子にも広がっています。

女子の場合は、バーチャルで「彼氏、彼女」を作っていく「バーチャル系ゲーム」にハマってしまう、という相談がよくありました。

しかし、とりわけ依存度が強いのが、MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)です。初めて聞く方には分かりにくい名前ですね。

これは、「顔も知らないネット上の相手と協力しながら、ゲーム上の架空の敵と戦っていく」というような内容です。

種類やケースは沢山ありますが、昔のテレビゲーム系との違いは、「隣に座っている相手と対戦、または協力する」という形ではなく、「ネット上の多数の知らない人物と交流しながらゲームを楽しんでいく」という点です。

このゲームに依存し、12時間連続でゲームした後に、肺血栓症で命を失った若者もいます。

長時間の静止した姿勢が血栓となったようです。アメリカではこのような頻発する症状を「ゲーマー血栓症」と呼んでいます。

日本でも、小学生から大学生くらいまでの子どもたちが似たような状況にあります。命を失うレベルまではいかなくても、中学生なのに、中年と同じ成人病だと、医師に告げられた、という話もありました。

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私たちがサポートする学校でも、ある高校生は、「休みの日は10時間はオンラインゲームをやるのは普通」と言っていました。

この子は、ゲームに、のめりこむ事によって、情緒不安定な状況になり、現実とゲーム内の仮想世界とのギャップに苦しみ、現在は、引きこもりとなってしまっています。

ですから、身近でも深刻な状況といえます。保護者の私たちは、もう少し、この状況を真剣に考える必要がありますね。

なぜ、特にMMORPGに依存するのか?

このゲームの対戦方法の違いは、単なる環境の違いに留まらず、子どもたちの性格、考え方という内面にまで影響を与える大きな違いと言えます。

どんな面が、「内面にまで」影響するのでしょうか?大きく分けて、下記の2つの面があります。

1.顔の見えない相手との関係性:

昔の対戦ゲームは、ほとんどの場合、知人を相手にして行うゲームでした。興奮してもあくまでも「友人間で表す怒り」で済みました。

しかし、MMORPGでは、不特定多数の顔が見えない相手と対戦します。

この場合、相手に対して、「殺してやりたい」というような不適切な感情を抱く事もあるようです。

また逆に、チームを組んで敵と対戦するようなゲームでは、知らない複数の相手から、「求められる存在」となる事があり、異質な連帯感と高揚感が生まれます。

「お前がいないと、チームが成り立たない!」とネット上の顔も知らない相手たちから要請され、初めて自分が必要とされた、と嬉しそうに話していた子どもの表情が忘れられません。

彼らにとっては、「自尊心を満たす場所」が、このオンラインゲーム上なのです。

家庭ではない点が、親として寂しいですね‥

このような両極端で不自然な、つまり、「リアルではない感情に翻弄されていく」という面で、特有の状況が生まれています。

前者の感情が強いと、当然ながら、とても危険な心を育ててしまい、残念ながら、犯罪に直結してしまったケースもあります。

この静岡でも中学生の男の子がゲームを止めさせようとした父親を刺してしまった事件がありましたが、このような感情が関係していたといえます。

また、後者のように、存在意義を見出される事も喜べる事ではありません。

なぜなら、リアルな世界である学校の交友関係では、難ありの子どもでも、ネット上では、「自尊心を満たしてくれる知人」が多ければ、当然ながら、そちらに逃避してしまうからです。

その仲間に存在感を示そうとして、さらにゲームにのめりこんでいくのです。そしてその世界は現実ではない、「仮想の空間」なのです。

ですから、ゲーム体系が「オンライン対戦」ゲームとなった時点で、楽しい以上に、様々な影響を生み出すツールとなってしまった事は事実です。

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2.終わりがないように作られているゲームの内容:

これはどういうことでしょうか?

多くのゲームは、1回のゲーム自体に終わりはありますが、さらに強くなったり上手になるために有料アイテムを購入します。

腕を上げていくと、それに対応する上級レベルのゲームが継続的に提供される仕組みになっているのです。

ですから、自分からストップしない限りは、半永久的にゲームにのめりこめるように作られているのです。

いかがでしょうか?

この記事をここまで読んでくると、ゲーム依存という深刻な状況が、「加速度的に今後も増加」していく事が予想できますよね。

このように書いてくると、「オンラインゲーム自体が悪い!禁止しないと!」と考える方もいるかもしれません。

しかし、私たちはその考え方は適切ではないと考えています。勿論、ゲームの中には、暴力的及び性的に露骨な物もあり、そのような内容に関しては、明らかに子どもたちには不適切と言えるでしょう。

しかし、オンラインゲームそのものを全て禁止すれば良い訳ではありませんし、そのような事は現実的ではありません。

また、オンラインゲームを楽しんでいても、人格や成績に影響なく、あくまでも「遊び」の一つとしてみなしている子どもたちも大勢います。

そうであれば、それは、「内容」と「使いこなし方」さえ適切なものであれば、禁止したり、懸念する物ではありません。

では、このような「適切にゲームを楽しめる子ども」と「ゲーム依存に陥る子ども」との差は何でしょうか?

そして、eスポーツは、ゲーム依存を解消する上で役立つのでしょうか?

これらの点は、次回の記事で考えましょう。

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子どもを守る「深く考える」力とは?

「蒔いたものを刈り取る」事にならないために:

最近の様々なニュースの出来事を見ていて、ある学校の校長先生は、このように述べました。

「子どもだけでなく、大人も深く考える事が少なくなってしまった‥

皆さんも同じようにお感じでしょうか?

確かに、政治家の失言、パワハラ問題の謝罪会見や取材への受け答え、短絡的な犯罪など、著名人や要職にある方でさえ、「もう少し考えて発言できなかったのか?」と感じる場面が増えていると感じますね。

ネットへのコメントにもそのような感想が溢れています。以前から、そのような方はいましたが、それでも、近年、そのような「良く考えずに」発言、行動する人は、私たちの日常生活でも確実に増えています。

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しかし、そのように、良く考えない言動の影響は、ブーメランのようにその人に戻ってきます。昔の賢人は、「人は蒔いたものをものを刈り取る」と述べました。良くも悪くも、自分が「蒔く」言動に注意が必要だという事です。

ですから、どんな言い訳をしたとしても、「良く考えない」言動は、ほとんどの場合、その人にとってデメリットになります。

深く考えられない理由とは?:

では、なぜ、「深く考える」事ができないのでしょうか?

様々な要因が関係していますが、多くの場合、1つの観点が欠けているようです。

それは、「物事や自分を常に客観的に見る」認識です。客観的とは何でしょうか?それは、「特定の立場に捉われずに、物事を見たり、考えたりするさま」と言われる事が多いです。

つまり、「第三者目線」と「先を読む目線」で、周りの出来事、相手、そして何よりも「自分を見れるかどうか?」という観点です。

あまり深く考えない方は、この客観的見方ができないため、「ここでこのような発言をすると、どんな印象を与えるか?」「先にこれを処理しておかないと、急な事が起きた時に対応できなくなるかも」というような事を考える事ができず、行き当たりばったりの対応になってしまう事が多いのです。

さらに、このような方が、「蒔いたものを刈り取る」ような状況になると、急に翻ったように、言い訳をしたり、相手に逆ギレしたりするようになるわけです。

一度、このような「人間性」が周りの方に伝わると、その評判を挽回するのは簡単ではありません。

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子どもに「深く考える習慣」を教える:

このことは、私たち保護者にとっても大切な点ではないでしょうか?

親が「深く考えない」と、子どもも「深く考えない」事が当たり前になります。そうなると、大人だと、何とか対応できたことでも、子どもだと対応できずに、取り返しのつかない結果になってしまう事件もありますね。

実際、私たちがサポートする学校や保護者の現状を見ていると、子どものスマホやSNSでのトラブル、ネット依存はほとんどの場合が、この「深く考えない」「先を予測しない」事が原因となっています。勿論、子どもなので、思考にも限界があります。

しかし、全ての子どもがこのようなネット系のトラブルに遭遇している訳ではなく、むしろ、全体的な比率からすれば、大きなトラブルに巻き込まれる子どもの方が少ない訳です。

どこに違いがあるのでしょうか?

それが、「子どもなりに、状況や先を予想できる思考力が身についているか?」という点です。

以前、私たちは、トラブルに巻き込まれそうになっても、それを回避できた中学生の子どもたちと話し合った事がありました。

その子たちは、普段から次のように考えて対応しているとの事でした。

「この子には、このスタンプは使わない方がいい」「この言葉だと、こういうように誤解させるかもしれない」

「(知らない人とのSNSのやりとりで)この人、同じ年って言ってるけど、なんか変だ‥ 止めておこう」

「ゲームは沢山やりたいけど、深夜までやって、学校の勉強ができなくなってしまうなら、学校に行っている意味がない。タイマーをかけて使用しよう」

いかがでしょうか?とても立派な「深い考え方」ですね。

この子たちに、大人のような判断力はない訳ですが、それでも結果的に、ネットやSNSを使用しながらも、トラブルや依存が無い状態で使いこなしています。

つまり、この子たちレベルの観点で、「思考力/予想力」がしっかりと働いているので、トラブルや依存を避ける結果に結びついています。

では、この子たちは、自分の短い人生経験や生来の頭の良さで、このような「思考力/予想力」が身についたのでしょうか?

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そうではありません。

その子たちとその保護者にもお話を伺う機会がありました。

その際、保護者が共通して語っておられたのは、「子どもが小さな頃から、考えさせる癖を付けさせていた」という事でした。

具体的には、「こうしなさい、ああしなさい」と命令するより、「どうするの?それをしたらどうなると思う?相手にこう言われると、自分ならどう思う?そうだとすると、今、あなたが相手にそのように言うのはどうかな?」というような「自分で考えさせる観点」を養うようにさせていたようです。

私が賢いなぁと思ったのは、「思い悩ませる」のではなく、自分と相手のために「考えさせる」というスタンスで教えている、という点でした。

そのような子どもたちは、多くの場合、神経質になりすぎるのではなく、明るく屈託ない様子や、ある程度、子どもなりの自信を持った印象でありながらも、良く考える思考を持っている事が多いです。

良く考える、自分を客観的に見る見方や考え方を培っていると、当然ながらそれは成績などの学業やその後の人間関係、コミュニケーション力にも影響してきます。

私たちは企業に対しても、ヒューマンリテラシー講座を実施していますが、その中でも、「シンキング力」と「コミュニケーション力」は密接に結びついている、という事が教えられます。

それで、このように考えてくると、親である私たちは勿論、子どもにとっても「深く考える」思考方法を教えていく事は、我が子の将来を考えるうえでとても重要な要素である事が分かるのではないでしょうか?

私もそうですが、まずは保護者自身が普段から「迅速に深く考えた言動」を身に付け、示すようにしたいですね。

そうすることにより、「良いものを蒔いて、良いものを刈り取る」ように子どもを助けることができるのです。

具体的な「深く考える」方法に関しては、今後の記事でまたご紹介していきます。

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子どもに教える「自画撮り被害」の予防と対策

「自画撮り被害」の深刻な蔓延状況~児童ポルノとの関連性:

皆さんは「自画撮り被害」をご存じですか?

自画撮りとは、スマホが普及し始めた頃は、自分や友だちと一緒の写真を自分で撮影する、という何の問題もない、記念を残していくような撮影方法を示す言葉でした。

しかし、最近は少し意味合いが異なってきました。実際、「自画撮り」は今、子どもたちにとって、将来にも計り知れない影響を及ぼす最も卑劣な犯罪を表す言葉なのです。

そのような、「自画撮り」とは何でしょうか?

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それは、「だまされたり、脅迫されるなどして、児童(18歳未満)が自分の裸体等を撮影させられた上、SNSなどで送信させられる被害」の事を言います。

実際、2017年7月に、児童ポルノ禁止法が改正された後にも、この被害は急増しています。

警察庁の発表によると、平成29年の児童ポルノの被害児童は1216名で、割合としては、中学生以下が6割を占めています。

そして、この児童ポルノ被害の約4割が自画撮り被害と言われています。被害者は女子だけでなく、高校生男子なども被害に遭うケースがあります。

ですから、まずは、この自画撮りが、児童ポルノという卑劣な犯罪に直結しているという事、また、被害だけでなく、その画像を気軽に要求したり、また転送したりすると、「加害者」にもなってしまう事も、親が理解していなければなりません。

被害の拡大に影響しているのは、やはり、スマホの便利さです。簡単に撮影し、親に分からない間に送信できる、SNSの匿名性の「間違った認識」などの要素も関係しています。

なぜ、「自画撮り送信」してしまうのか?

私たち親としては、「なぜ、そのような考えられない事をしてしまうのか?」と感じるかと思います。

予防啓蒙する団体の私たちも数年前までは、そのように感じていました。

しかし、その様々な巧妙な罠を知って、被害が拡大している理由に納得できました。

大きく分けて、「入口」と「方法」は下記の2つが多いです。

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①ゲームアプリ、友だち募集アプリ、SNSでの繋がり:

この中で、年齢、性別を偽って接してくることを見破れずに罠にかかってしまう事があります。実際「中2女子」というプロフィールだったのが、「47歳中年男性」だった、という事もありました。

最大の特徴としては、ほとんどの場合、「数週間~数か月の交友関係を作り、信頼関係を保つ」という前段階があるという事です。犯罪者は、ターゲットとする年代の子どもたちの関心や言葉使い、流行りなどを詳しく学習習得しています。

そして、信頼関係を作るために、大体は、イケてる、もしくはかわいい同年代である事を印象つけるために、(ネットから探してきて合成した他人の)写真を少しだけ見せるようにして、相手の好印象を得ていきます。

次に、体形の悩みや、筋肉自慢などの話に持ち込みます。

例えば、「最近少し太って悩んでる‥」と述べ、お腹周りの自然な少し太った写真を自分から送信してきます。

そして、「こっちも見せたから~ちゃんもみせてよ」と誘います。

戸惑っていると、「先に見せた方が恥ずかしくなること、分かるよね?」と圧力をかけてきます。

ここまでくると、これまでの交友信頼関係から、「断ったら嫌われる」と感じ、自分の下着やお腹周りの画像を送信してしまいます。

そして、これが少しずつエスカレートし、気づいたら、自分の裸の画像を「~くんだけの秘密にするって約束してよ」と言い、送信してしまう、という流れとなります。

②同級生、友だち、交際相手から強要される:

こちらは最初から、関係性ができているため、分かっていても余計に断りにくい、という面が悪用されています。毎日の交友関係にも大きく影響する事例が多いため、妥協してしまう子がいます。

いかがでしょうか?

大きく分けた「入口と方法」を2つお伝えしましたが、勿論、これは一例にすぎません。私たちが学校側から聞いた事例ではさらに巧妙な事案もあり、ネットを駆使したその巧妙さに驚きました。

大人である私たちからすれば、たとえ上記の様な状況でも、断れるかと思います。

しかし、人生経験、知恵、予測力が不足している子どもたちの年齢ですと、現状の交友関係を最大の事とみなすため、それを壊すくらいなら、1枚の写真くらい‥という考えへ逃避してしまうのです。

予防方法は?

では、どのように子どもに予防を教えられますか?

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下記3点を意識しましょう。

①自画撮りの事例を子どもに教える。

上記の様な事例は、警察庁のHPなどに具体的な事例マンガとしても掲載されています。

また、you tubeなどでも、「自画撮り」で検索すると、注意喚起ドラマなど複数のとても啓発的な事例動画が掲載されています。

それで、まずは、「自画撮りしてないでしょうね!」と威圧だけするよりも、「こんな事例知ってる?」と話しかけ、親としても子どもとしても共に慎重になっていく姿勢で、「共通の立場」を築いておく事が重要です。

②自画撮りで失うものを明確に理解させる。

裸の画像だけでなく、ネット上にアップした画像や動画は、「デジタルタトゥー」と言われています。

つまり、「1度アップした画像は消す事はできない」という意味です。

送信した相手が「拡散」させれば、その画像が、ネット上から消える事はありません。

実際にあった話ですが、そのような画像が、就職活動で企業側に名前検索された際に発見され、内定取り消しになった事例もあるようです。

失うものは、「自分の評判を半永久的に」という考え方を教えましょう。

③どんなに親しい、信用している相手でも、絶対に送信しない。

「そもそも、そのような画像を求めてくる相手は、あなたの事を本当に大切に考えてくれている?」と根本的な点に注目させる事が大切です。

このような事を自問させながら、本当に大切な友だちとは?という、人生設計に役立つ「気づき」を与えていくチャンスとなります。

また、相手に、気軽に見せない体の部分に関する適切な「性モラル教育」が不足している事も否めません。

このような時にも、この課題が出てきてしまいます。

やはり、小さい時から、親子の会話にそのような点も含めていく事の大切さを物語っているのではないでしょうか?(当団体でも性モラル教育プログラムを実施しています)

今回は少し長くなりましたが、今、爆発的に急増している児童ポルノ犯罪のメインである自画撮りの「被害者」にも「加害者」にもならない方法を考えてきました。

被害に遭った子供の親は、「自分の子どもには起きないだろう‥」と思っていたという感想がありました。

それで、現実的な身近な問題として、上記のポイントだけでも把握するようにしましょう。

そのようにして、卑劣なネット犯罪から我が子を守っていきましょう!

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