「eスポーツ」と「ゲーム依存」の対策 PART1

今、子どもが注目する「e-スポーツ」とは?

皆さんは「eスポーツ」をご存じでしょうか?

最近、子どもたちの間でも「eスポーツ」は話題となっており、先日、講座で出会った中学生も、すぐにその話題を嬉しそうに出していました。

ゲーム依存の子供たちにとっては、ある意味での「希望」ともなっているようです。

eスポーツは、複数のプレイヤーで対戦されるコンピューターゲームで、格闘技やサッカーなどのスポーツを競う大会です。

サッカーゲームでは、実在するプロ選手の能力や成績データも反映され、フォーメーション、綿密な戦略などがカギを握る非常に高度なゲームです。

アジアのオリンピックとして知られる「アジア競技大会(第18回)」でも、eスポーツがデモンストレーション競技として採用され、日本代表が金メダルを獲得しました。

将来的に、オリンピックでの正式採用も目指しています。

「なぜ、ゲームがスポーツなのか?」という疑問もあるかと思いますが、元々、「スポーツ」という単語には、「娯楽、楽しみ」という意味合いもある点が取り上げられています。

日本ではこの分野での遅れが指摘されてきました。近年、競技としての確立を目指し、様々な取り組みが実施されており、選手である「プロゲーマー」と呼ばれる人たちを、系統的に育てる教育が実施され始めています。

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今、この「eスポーツのプロゲーマー」を職業として目指そうとする子どもたちが急増しています。何年か前に、「ユーチューバー」を目指そうとする若者が急増した現象に似ているかもしれませんね。

この先、オリンピック競技に正式決定すれば、多くの注目が集まり、プロゲーマーを目指す子どもたちはさらに増えることが予想されます。

ゲーム依存との関連性:

しかし、この現象は、「ゲーム依存」を切実に心配する保護者にとっては、喜べないかもしれません。

ゲーム依存は文字通り、ゲームがやめられなくなってしまう依存状態です。

6月18日に、世界保健機関(WHO)が公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記され、来年のWHO総会で正式決定される予定です。それにより、「ゲーム依存」は、「ゲーム障害」として国際的に「疾患」として認められます。

この動きからも分かる通り、世界中で問題となっているネット依存の多数割合を占めるのが、この「ゲーム依存」なのです。

主に小学生から高校生までの男子に多いと言われてきましたが、最近では、女子にも広がっています。

女子の場合は、バーチャルで「彼氏、彼女」を作っていく「バーチャル系ゲーム」にハマってしまう、という相談がよくありました。

しかし、とりわけ依存度が強いのが、MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)です。初めて聞く方には分かりにくい名前ですね。

これは、「顔も知らないネット上の相手と協力しながら、ゲーム上の架空の敵と戦っていく」というような内容です。

種類やケースは沢山ありますが、昔のテレビゲーム系との違いは、「隣に座っている相手と対戦、または協力する」という形ではなく、「ネット上の多数の知らない人物と交流しながらゲームを楽しんでいく」という点です。

このゲームに依存し、12時間連続でゲームした後に、肺血栓症で命を失った若者もいます。

長時間の静止した姿勢が血栓となったようです。アメリカではこのような頻発する症状を「ゲーマー血栓症」と呼んでいます。

日本でも、小学生から大学生くらいまでの子どもたちが似たような状況にあります。命を失うレベルまではいかなくても、中学生なのに、中年と同じ成人病だと、医師に告げられた、という話もありました。

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私たちがサポートする学校でも、ある高校生は、「休みの日は10時間はオンラインゲームをやるのは普通」と言っていました。

この子は、ゲームに、のめりこむ事によって、情緒不安定な状況になり、現実とゲーム内の仮想世界とのギャップに苦しみ、現在は、引きこもりとなってしまっています。

ですから、身近でも深刻な状況といえます。保護者の私たちは、もう少し、この状況を真剣に考える必要がありますね。

なぜ、特にMMORPGに依存するのか?

このゲームの対戦方法の違いは、単なる環境の違いに留まらず、子どもたちの性格、考え方という内面にまで影響を与える大きな違いと言えます。

どんな面が、「内面にまで」影響するのでしょうか?大きく分けて、下記の2つの面があります。

1.顔の見えない相手との関係性:

昔の対戦ゲームは、ほとんどの場合、知人を相手にして行うゲームでした。興奮してもあくまでも「友人間で表す怒り」で済みました。

しかし、MMORPGでは、不特定多数の顔が見えない相手と対戦します。

この場合、相手に対して、「殺してやりたい」というような不適切な感情を抱く事もあるようです。

また逆に、チームを組んで敵と対戦するようなゲームでは、知らない複数の相手から、「求められる存在」となる事があり、異質な連帯感と高揚感が生まれます。

「お前がいないと、チームが成り立たない!」とネット上の顔も知らない相手たちから要請され、初めて自分が必要とされた、と嬉しそうに話していた子どもの表情が忘れられません。

彼らにとっては、「自尊心を満たす場所」が、このオンラインゲーム上なのです。

家庭ではない点が、親として寂しいですね‥

このような両極端で不自然な、つまり、「リアルではない感情に翻弄されていく」という面で、特有の状況が生まれています。

前者の感情が強いと、当然ながら、とても危険な心を育ててしまい、残念ながら、犯罪に直結してしまったケースもあります。

この静岡でも中学生の男の子がゲームを止めさせようとした父親を刺してしまった事件がありましたが、このような感情が関係していたといえます。

また、後者のように、存在意義を見出される事も喜べる事ではありません。

なぜなら、リアルな世界である学校の交友関係では、難ありの子どもでも、ネット上では、「自尊心を満たしてくれる知人」が多ければ、当然ながら、そちらに逃避してしまうからです。

その仲間に存在感を示そうとして、さらにゲームにのめりこんでいくのです。そしてその世界は現実ではない、「仮想の空間」なのです。

ですから、ゲーム体系が「オンライン対戦」ゲームとなった時点で、楽しい以上に、様々な影響を生み出すツールとなってしまった事は事実です。

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2.終わりがないように作られているゲームの内容:

これはどういうことでしょうか?

多くのゲームは、1回のゲーム自体に終わりはありますが、さらに強くなったり上手になるために有料アイテムを購入します。

腕を上げていくと、それに対応する上級レベルのゲームが継続的に提供される仕組みになっているのです。

ですから、自分からストップしない限りは、半永久的にゲームにのめりこめるように作られているのです。

いかがでしょうか?

この記事をここまで読んでくると、ゲーム依存という深刻な状況が、「加速度的に今後も増加」していく事が予想できますよね。

このように書いてくると、「オンラインゲーム自体が悪い!禁止しないと!」と考える方もいるかもしれません。

しかし、私たちはその考え方は適切ではないと考えています。勿論、ゲームの中には、暴力的及び性的に露骨な物もあり、そのような内容に関しては、明らかに子どもたちには不適切と言えるでしょう。

しかし、オンラインゲームそのものを全て禁止すれば良い訳ではありませんし、そのような事は現実的ではありません。

また、オンラインゲームを楽しんでいても、人格や成績に影響なく、あくまでも「遊び」の一つとしてみなしている子どもたちも大勢います。

そうであれば、それは、「内容」と「使いこなし方」さえ適切なものであれば、禁止したり、懸念する物ではありません。

では、このような「適切にゲームを楽しめる子ども」と「ゲーム依存に陥る子ども」との差は何でしょうか?

そして、eスポーツは、ゲーム依存を解消する上で役立つのでしょうか?

これらの点は、次回の記事で考えましょう。

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