教師と親が「ネットいじめ」を発見対応する方法

「ネットいじめ」のサイン:

ネットによる「いじめ」は深刻な状況が続いています。私たちが活動する中学校、高等学校でも、これが原因での不登校や成績低下、そして相談は急増しています。

先生方や、その子どもたちからの話を聞くと、ひとつの特徴が見えてきます

。それは、「自分がネットいじめを受けている事を認めたくない、親に知られたくない」という事以外に、「どのように相談して良いか分からない」という点です。

スポンサーリンク




子どもたちの立場で考えると、これは当然と言えるかもしれません。

しかし、最後の「どのように相談して良いか分からない‥」という言葉は、親である私たちや教員の皆さんにも、判断基準や思考が発達途上にある子どもの「心の叫び」として訴えるのではないでしょうか?

それで、私たち大人の側としても、子どもが発する「見えないメッセージ」に敏感である必要があります。

「見えないメッセージ」は言葉ではなく、「行動、表情、振る舞い、装い」などに表れてきます。

どんな兆候があるでしょうか?

沢山ありますが、私たちのこれまでの支援経験から得た情報を元に、代表例を下記に記します。

「ネットいじめを疑うサイン」(学校/家庭)

学校:

①休み時間に一人でいる事が多い。一人で廊下をフラフラと歩いている。

②お昼ご飯を一人で食べている事が多い。

③頻繁に保健室に行くようになった。

④成績が急に下がる。

⑤授業開始寸前か少し遅れて教室に入ってくる。

⑥コミュニケーションが取りにくくなった。(例:目を合わせない、声が小さい、おどおどしている、会話がなりたたない、覇気が無い)

⑦机や椅子、持ち物が雑然としている。

⑧書く文字が小さく、筆圧も弱くなった。

⑨教科書やノートが破られていたり、服や髪の毛が汚れている、切られている。

⑩望んでいないような「あだ名」で呼ばれている。

スポンサーリンク




家庭:

①遅刻、早退、休みが多くなる。(腹痛、微熱、倦怠感などの理由を訴える)

②朝、起きれなくなった。

③朝、トイレにこもる時間が長くなった。

④友達が遊びに来ない、または、今までと違うタイプの友だちが来るようになった。

⑤スマホの着信やLINE通知を親の前では見なくなる。

⑥お金の使い方が変わった。

⑦ぼんやりとして、いつも考え事をしている。

⑧食欲不振、睡眠不足が表れる。

⑨兄弟(特に年下)をいじめるようになった。

⑩笑う機会が少なくなった。

スポンサーリンク




いかがでしょうか?

該当する箇所が複数ありましたか?

勿論、上記の兆候が必ずいじめに該当する訳ではなく、その他の兆候も沢山あります。

しかし、重要なのは、このような「複数の変化が短期間で急に生じてきた」という事です。「何か」があったからこそ、そのような急な変化が起きたわけです。

親や教師がそこに「気づく敏感さ」をどれだけ意識しているかがポイントとなります。

実際、子どもたちの中には、「言葉に出来ずに行動でアピールしていたが、お母さんや先生は全然分かってくれなかった‥」と言ってきた子もいました。

それで、私たち親や教員の皆さんは、既に実施されていると思いますが、次の「姿勢」を徹底していきましょう。

「子どもが相談しやすい親、教師であるための姿勢」とは?

①信頼関係を作っておくことに敏感であるようにする:

親だから、担任の教師だから、自動的に子どもに信頼されるわけではありません。

誰でもそうですが、特に子どもは、いつも「味方」になってくれる大人か?と考える傾向が強いです。

そのためには、やはり、「子どもの身になって感じる、考える」事が不可欠です。

例えば、いじめの証拠や訴えがあっても、「気にする必要はない」「無視していればいずれやめるだろう」「もっと強くなりなさい」などの言葉を発したら、子どもの信頼はすぐに無くなります。

このような時、子どもとして、まずかけて欲しい言葉は何でしょうか?

「辛かったね」という共感でまずは受け止める言葉を掛けるなら、子どもの反応は全く異なってくる事が多いです。

そのような形で、まずは、信頼関係の共通ベースを構築していきましょう。

スポンサーリンク




②問題のポイントと背景事情を把握する:

子どもの話を聞く時には、言葉そのものだけでなく、「非言語データ」を読み取らなければなりません。

この場合の「非言語データ」とは、言葉使い、言い方、表情、仕草、体の動き、目の表情、声色など、言葉そのものの「言語データ」以外に読みとれるその子の「訴え」です。

特に、話しづらい内容の際には、言葉以上に「非言語データ」に注目する必要があります。

そうする事で、思いがまとまらずに表現できない事や、本人すら気づいていないような事実を引き出していく事ができます。

この「非言語データ」を把握した上で、適切な質問(尋問ではない)を用いて、核心に触れていきます。

「そのような不快な事を、急にされるようになったきっかけはどんな事だったか、覚えている事はある?」などの質問ができるかもしれません。

この時、「いじめられている」という直接的な言葉や表現を使用しない方が、子どもは話しやすくなります。

そのような点も意識しながら、いじめの要因、きっかけと思われる事、どこを、どのように対処する事が解決、または緩和に繋がりそうかを論理的に把握するようにします。

③適切な対応をする:

上記で把握した情報と共に、子どもの性格傾向を含めて考慮し、適切な対応をします。

過去にも同様のケースがあった、親や先生に任せればよい、などではなく、その子のその時のケースと反応に合わせた形での対応が「適切」と言えます。

このような点を改めて意識し、「子どもが相談しやすい親や教師」であるなら、最大限、ネットいじめに効果的な対応をしていく事ができます。

次回以降で、具体的な相談の受け方の注意点などを考えていきましょう。

スポンサーリンク




 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA